Ⅰ.環境・資源システムイノベーション部門

③効率的な環境・資源システムを実現する社会制度の研究

電力・ガス事業と水道事業のシステムイノベーション研究
構成メンバー
(★はプロジェクトリーダー)

★島村 健(法学研究科・教授)
柳川 隆 (経済学研究科・教授)
草薙真一 (兵庫県立大学経済学部・教授)
角松生史(法学研究科・教授)
池田千鶴(法学研究科・教授)
田中拓朗(電力中央研究所特定主任研究員)
生田祐介(経済学研究科・研究員)

研究の目的と概要

電力・ガス事業および水道事業は、市民生活や企業活動に必要不可欠な社会的インフラストラクチャーということができる。これらの事業は、日本において、人口減少、施設老朽化対策、自由化、スマート化の要請、環境保全といった共通する現代的課題に直面している。上記のような事業の公益性、施設の更新やメンテナンスには巨額の投資が必要であること等の事情から、これまでにも公的な規制がなされてきているが、現代的な課題に対応するため、日本及び欧米諸国でも近年、大幅な規制改革が行われており、電力やガスにおいては自由化改革や低炭素化電源の普及、水道事業においては民間委託や民営化が進められている。
本研究では、上記のようなインフラ供給事業を比較しながら、現代的課題を解決するためのシステムイノベーションの研究を行う。電力自由化・送配電分離と温室効果ガス削減を両立する制度設計、再生水・再生可能エネルギーの開発と普及,水質基準・水道事業規制との調和など、それぞれの事業法の仕組みのこれまでの経緯を振り返り、市場メカニズム活用による経済効率性を追求しながら、今後の規制制度の在り方を検討する。また、事業形態が変化する中で、費用負担を支える既存の理念と制度の有効性・妥当性がどの程度維持しうるものかという点についても問い直すこととする。