Ⅳ 農業システムイノベーション部門

②途上国における生産性と所得の向上のための農業モデル研究

契約栽培と下請契約:途上国の発展における契約の役割
構成メンバー
(★はプロジェクトリーダー)

★大塚 啓二郎(社会システムイノベーションセンター・特命教授)
山崎 幸治(社会システムイノベーションセンター・副センター長/教授)
島村 靖治(国際協力研究科・准教授)
村上 善道(経済経営研究所・助教)
津坂 卓志(Agricultural Economist (International Crops Research Institute for the Semi-Arid Tropics) & Natural Resources Economist (Asian Institute of Technology) )

研究の目的と概要

貧困の撲滅は全世界的な課題である。そして、今なお、途上国に暮らす貧困層の大多数は農業や零細・中小企業部門で生計を立てており、いかに彼らの生活水準を向上させるかが貧困撲滅のための鍵となる。本研究プロジェクトでは、世界的に広がるグローバル化の潮流のなかで、途上国における生産性と所得の向上のための農業と製造業における契約の役割について研究を行う。具体例として、多国籍企業によるグローバルバリューチェーン(GVC)の構築が1)ローカルな農家や中小企業への技術移転や経営革新、機械化に与える影響、2) マーケティングや販売経路選択に与える影響、3) そしてその結果、生産性や利益にどのような影響を与えるのかを検証する。GVCにおける契約栽培と製造業のFDIの下請け契約はきわめて類似しており、その比較研究という新しい試みは、従来とは異なる斬新な発見を可能にするであろう。