Ⅴ 市場研究部門

①人、企業の行動および企業間関係の研究

グローバル市場主義の浸透と日本企業の再生
構成メンバー
(★はプロジェクトリーダー)

★上林 憲雄(経営学研究科・教授)
平野 光俊(経営学研究科・教授)
庭本 佳子(経営学研究科・准教授)
吉井 昌彦(経済学研究科・教授)
開本 浩矢(大阪大学経済学研究科・教授)

研究の目的と概要

2010年以降,日本企業の経営システムを取り巻く環境は大きく変容しつつある。例えば統治機構改革、多発するM&A、新たな戦略的提携、社会的責任の強化、次世代型の成果主義人事・報酬管理など、変化を示すキーワードを挙げれば枚挙に暇がない。こうした多様な変化を推し進める最も底辺にある要因は、米国型の市場主義的発想法をもとに企業活動をグローバルに展開し、利益拡大を狙おうとする「グローバル市場主義」の進展である。こうしたグローバル市場主義の進展に伴う日本企業の新動向も、21 世紀に入り10 余年を経過した昨今、新たに導入されてきた経営諸制度の問題点も顕在化しつつあり、諸課題を踏まえたうえでさらに未来を見据え新たな長期ビジョンを模索しようとする日本企業も散見されつつある。
 本研究は、これまで人間関係をベースに置いた共同体的組織として発展を遂げてきた日本企業の経営システムがいかに変貌を遂げつつあり、また再生を目指しているか、経営学を中心に、経済学ほか社会学・心理学の各学問領域の知見も踏まえつつ、社会科学横断的な学際的視野に立って検討しようとするものである。