★多湖 淳(法学研究科・教授)
栗栖 薫子(法学研究科・教授)
藤村 直史(法学研究科・准教授)
政所 大輔(法学研究科・助教)
ジョー・グリエコ(デューク大学政治学部・教授)
国際組織が正統性・正当性を持つという認識は広く受容され、日本でも、たとえば国連は平和のために作られた崇高な目的に資する組織だと理解されている。しかし、国際組織は往々にして腐敗や大国に偏った政策を実施し、その正統性・正当性を揺るがしかねない事態を自ら招いている(例、国連PKO における人権蹂躙問題や国連安保理決議が特定の国の意図に沿ってダブルスタンダードで出されるといった批判)。本研究プロジェクトはインターネットを用いたサーベイ実験手法を駆使し、国際組織の正統性・正当性がどのように認知され、どのような条件で強弱が決まるのかを実証的に分析する。その際、国連安保理の決議が持つ正統性・正当性付与機能が作用しやすいのが、いわゆる国際主義者(国際的な協調や協力を重視するそもそもの選好を有する人)に限られるのか否かを判断する実証データ分析を試みる。国際主義とそれに対する孤立主義との差を明らかにする実証研究として価値ある知見を得ようとするものである。本研究は、社会制度研究部門の②グローバル化と社会制度の研究に合致するものである。
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