★伊藤 宗彦(経済経営研究所・教授)
西谷 公孝(経済経営研究所・教授)
遠藤 貴宏(一橋大学商学研究科・准教授)
髙槻 泰郎(経済経営研究所・准教授)
陳 金輝(計算社会科学研究センター・特命助教)
神戸大学に所蔵される鐘紡資料は、1886年の設立から1990年代までをカバーするものであり、同一の経営体について第二次世界大戦前後を見渡せる数少ない企業資料群の一つである。米国企業が株主価値の最大化を優先するのに対し、日本型コーポレート・ガバナンスは、株主、従業員、取引先などステイクホルダーへの価値増大と会社の成長を目指すとされてきた。稟議書の目録を調べると、会社創業後の明治期には、人事制度、工場の新設、機械の発注、営業所の開設、など、現在の会社システムと同様の決済事項が見受けられる。決済事項の細目、人事事項、社長の就任期間、会社の売り上げ規模などに資料を分類・データベース化し、会社、従業員数など会社の成長と関連性の分析により、日本型経営がいかに生み出され、企業成長が成し遂げられたのかという要因とプロセスを明らかにすることを目的にする。
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