★堀江 進也(経済学研究科・准教授)
地主 敏樹(経済学研究科・教授)
萩原 泰治(経済学研究科・教授)
勇上 和史(経済学研究科・准教授)
佐藤 純恵(社会システムイノベーションセンター・講師)
奥村 誠(東北大学災害科学国際研究所・教授)
海野 晋悟(高知大学人文学部・講師)
上條 良夫(高知工科大学マネジメント学部・教授)
新居 理有(高知工科大学マネジメント学部・講師)
堀江 哲也(上智大学経済学部・准教授)
本研究は、甚大災害リスク緩和のための居住地移転に関する提言を目標とする。高知県のような巨大地震に伴う津波被害が予想される地域においては、居住地の高台移転についての議論が進められている。これまでに経済学・災害科学の観点から、人口移動は長期的に災害リスクを低下させるように起こっていることが定量的に示されている。しかし、住民が土地に愛着がある場合や、移動後の労働環境に不安を持っている場合には人口移動が起こりにくいことが定量的に示されてきた。しかし、その一方で、東日本大震災の後の宮城県南三陸町などでは、自発的な内陸への居住地と経済活動拠点の比較的円滑な移転が観察されている。このような分析の帰結と新たに観察された事象の差異を埋め、新しく理論的枠組みを構築することが、自然災害に頑健な社会システムの構築の一助となることが期待される。同時に、今後の南海トラフ地震に伴う津波被災が予想されている地域における居住地移転を困難にする要因や、遠隔地に居住しながら、短期的に災害リスクが高い地域を訪れる観光客のリスク認識に関する分析をすることで、実践的な政策提言を行うことも企図している。
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