アントレプレナーシップ研究部門 アントレプレナーシップ教育の体系化と効果測定に関する研究

構成メンバー

★はプロジェクトリーダー

★保田 隆明(経営学研究科・准教授)
 内田 浩史(経営学研究科・教授)
 鶴田 宏樹(学術・産業イノベーション創造本部・准教授)
 祗園 景子(工学研究科・特命助教)


研究の目的と概要

本研究の目的は,実践型アントレプレナーシップ教育の実施による教育効果を数値化,言語化することを通じて,その教育効果を測定する体系,理論の構築を図ることである。具体的には,近年社会的要請が極めて高くなっており,教育的課題とされている学生の問題発見=解決能力を養成するアントレプレナーシップ教育のシステム化とその教育効果を測定する体系の構築を目的とする。アントレプレナーシップ教育の体系化とその効果測定は,海外を含めたグローバルベースでその研究は発展途上であり,本分野のグローバルベースの研究にも寄与するものである。
 本研究メンバーは,授業あるいはゼミ等でアントレプレナーシップ教育を実施している一方,今年度より経営学部の高度教養セミナー「シリコンバレー型起業演習」の講義を4人で共同で運営している。当講座の意図としては,昨今実務界からの要請の高い学生の課題発見,解決能力の育成と,座学で学んだビジネス領域の知識を実践する場を提供することで総合的な学習の機会を提供すること,そしてそのプロセスから効果的なアントレプレナーシップ教育の枠組みについての研究成果を生み出すことである。講座を教育プログラムとしてより精緻化していくため,そして,その中身を研究成果としてアウトプットするために,理論的,体系的なフレームワークを構築し,一定の枠組みを用いてアントレプレナーシップ教育の効果を測定する。
 以上の研究目的を達成するために,本研究課題では3カ年の研究期間を必要とする。この3年間を,①先行研究・知見の整理,指標の検討と作成,②講座実施前後における調査の実施と指標の評価(適合性確認と改善),③改善後の調査実施の3つに区分する。
 当研究チームのメンバーは,それぞれ学生あるいは卒業生へのインタビュー調査やサーベイ調査を通じて,本講座によって身についたキャリア観やスキルを調査する。これは,本講座実施前から実施後,就職等に至るプロセスを経時的に調査することで,講座経験者がいかにしてキャリア観やスキル取得に至るのかを明らかにすることをねらいとする。
 それに基づき,本講座による教育効果を測定する指標の設計を行う。設計にあたっては,各メンバーの異なるバックグラウンドを有効活用し,経済学や経営学を専門とする研究者のみならず,産学連携,工学研究科での知見を反映させた教育効果の測定が可能になると考える。そこで作成された評価指標をもとに,学生を対象に本プログラムの実施前または実施後に調査を行い,事前事後の教育効果の測定を実施する。そして,その結果を分析し,調査実施後の評価と改善すべき点がある場合にはそれを評価指標に反映させることとする。このループを複数回も繰り返すことで,講座の精緻化と測定効果の信憑性向上を図り,アントレプレナーシップ講座の他大学への導入も積極的に働きかけ,最終的には受講学生の学びのレベルを向上させ,ビジネス課題の発見=解決能力の高い人材を大学において育成することを目的とし、その内容を研究成果として国内外に発信して行く。

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