市場研究部門 日本企業によるIFRS適用に関する研究

構成メンバー

★はプロジェクトリーダー

★藤山 敬史(経済経営研究所・講師)
 榎本 正博(社会システムイノベーションセンター・教授)
 小津 稚加子(九州大学経済学研究院・准教授)
 金 鐘勲(専修大学商学部・講師)
 古賀 裕也(東北学院大学経営学部・准教授)

研究の目的と概要

会計制度は間接金融から直接金融まで幅広い資本市場が円滑に機能するために欠かせない社会制度である。従来、日本の会計制度はドイツやアメリカといった異なる法起源を持つ国々の制度を参考にして、日本独自の制度が形成されてきた。しかしながら、企業活動や金融活動のグローバル化によって、会計制度のグローバル化も国内外、特に、外国から求められるようになった。その結果、日本の会計基準はアングロサクソン社会に起源を持つ米国会計基準や国際財務報告基準(IFRS;あるいは国際会計基準)に近づくように制度改正が行われ、欧州委員会によって日本の会計基準はIFRSと同等であるとみなされている。一方で、日本基準とIFRSには差異も存在している。このような中で、日本ではIFRSの任意適用が認められた。すなわち、日本の企業は日本の基準とIFRSを選択できることになった(その他に2つの会計基準を選択することができる)。
 以上のような背景の中、本研究の目的は(1)日本基準とIFRSに基づいて報告される会計数値にはどのような違いがあるのか、(2)IFRSを適用することで株式市場へどのような影響があるのかの2つについて検討することである。特に、日本では大企業から中小規模の企業まで幅広い上場企業がIFRSを適用している。日本は詳細なルールに基づいて会計処理が行われる傾向にある一方、IFRSは原則に基づいて経営者が判断して会計処理を行う傾向にある。企業が会計数値の質を担保するために用いることができる資源は企業規模によって異なる。本研究では企業規模の違いにも注目して上記2点について検討する。

年度別アーカイブ

旧サイト年度別アーカイブ