IT化とビッグデータの蓄積・利用をめぐる社会システム研究部門 ウィズコロナ/アフターコロナ時代における行政情報法の課題*

構成メンバー

★はプロジェクトリーダー

★西上 治(法学研究科・准教授)
 砂原 庸介(法学研究科・教授)
 木下 昌彦(法学研究科・准教授)
 板持 研吾(法学研究科・准教授)

研究の目的と概要

 本研究は,情報収集・処理・提供に焦点を当てて,ウィズコロナ/アフターコロナ時代における国や地方公共団体による行政的対応について,行政実態と比較法的知見を踏まえた検証を行うものである。
 行政は,外界から情報を入力し,処理し,外界に出力する一つの情報処理システムとして捉えられる。本研究は,新型コロナウイルス感染症に関する行政的対応における情報処理のあり方について,実態調査と比較法的な検討を行う。従来,行政過程において個人情報の取り扱いは個別的な情報処理の問題として分散的に処理されてきたが,ビッグデータとしてオンラインで情報処理を行うとき,名寄せやなりすましの問題に統合的に対処する必要が強まる。そのような問題を,主に情報法の観点から検証することにより,個人情報を中心とした行政による情報収集・処理・提供に関する法的統制の現状とその課題を明らかにしようとするものである。
 新型コロナウイルス感染症とその後の政府の対応の中で,オンライン化による行政システムのさらなる効率化が求められることが明らかとなった。オンライン化自体は従来から求められ,行政もそれへの対応を進めているが,必ずしも十分には進んでいない。本研究では比較法の観点から,アメリカ・イギリス・ドイツにおける個人情報保護と有効利用のプラクティスを踏まえて,神戸市を対象として主に住民が関係する複数の分野の業務プロセスを整理し,ペーパーレス化した業務手続きの遂行にとってボトルネックとなる法令の存在を整理し,その変更可能性について検討する。

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