【開催報告】第13回極域法国際シンポジウムが開催されました

日時:2020年11月9日-30日

会場:オンライン

主催:神戸大学 国際協力研究科 極域協力研究センター

共催:Polar Law Institute (University of Akureyri)
   Northern Institute for Environmental and Minority Law, Arctic Centre (University of Lapland)

シンポジウム詳細:ワークショップ・セミナーをご覧ください

開催内容
 2020年11月9日ー30日、神戸大学国際協力研究科極域協力研究センター(PCRC)がホスト校となって第13回極域法国際シンポジウム(The 13th Polar Law Symposium;PLS)が開催されました。今回、アジアで初めて神戸大学が開催校となる予定でしたが、新型コロナウィルスの感染拡大により、オンラインでの開催となりました。
極域法国際シンポジウムは、極域(南極・北極地域)に関する社会科学系の研究者を中心に、各国の政策担当者・企業関係者が一堂に会して極域が直面する課題について検討し、国際的なガバナンスのあり方等を議論する世界的なイベントです。
 シンポジウムでは、極域国際法政策の立案・実施に必要とされる科学的知見と、政策および法との連関(Nexus)を学術的及び実践的に解明することを目的とするパネルPolicy-Law-Science Nexus in Polar Regions(企画者 神戸大学 柴田明穂、国立極地研究所 榎本浩之)やEmerging Legal, Policy and Scientific Issues in Antarctica(企画者 神戸大学 柴田明穂・古畑真美、イラン国立海洋大気科学研究所 Zia Madani)というパネルが設置されました。そこでは「極域科学と国際法」や「IPCC特別報告:極域に対する法政策的意義」など社理連携を考察するセミナーが企画されました。その中でも「南極の政策と科学のインターフェース:今後の方向性」セミナーでは、オーストラリア農業・水資源省のイヴァン・マクレガー氏、英国南極観測局のジョン・ヒューズ氏、南極環境政策の著名な専門家であるニール・ギルバート氏が研究報告を行ない、南極環境を保護するための政策のあり方をめぐり、極域の環境科学との連携の重要性について議論が行なわれました。
 極域は地球温暖化の影響が最も顕著に現れている地域であるとともに、極域の自然環境の急激な変化が地球全体の環境や生態系に大きな影響を与えることが科学的に指摘され、国際的に懸念が共有されています。その一方で、温暖化によって新たな経済活動の拡大につながることが期待されており、多くの非北極圏国が強い関心を抱いています。極域をめぐる持続可能な社会の実現のために国際的なガバナンスが喫緊の課題となっています。国際的な法制度や協調体制を検討する上で、自然科学者のみならず社会科学・人文社会科学の専門家の知見はますます重要になっており、当センターもその一躍を担う機関として国内外から期待されています。
 第13回極域法国際シンポジウム全体としては、約3週間にわたって12のセミナーが開催され、28の研究報告が行なわれました。43の国と地域から350名の参加登録があり、オンラインながらもシンポジウム史上最大の参加者数を得て盛会をもって閉会しました。
 2021年11月に開催予定の第14回極域法国際シンポジウムも当センターがホストを務めることが決まっています。神戸大学六甲台キャンパスに北極と南極の研究者が集結して、学術的に価値の高いディスカッションが繰り広げられることが期待されます。

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Conference Report of the 13th Polar Law Symposium Special Online Session

関連リンク
第13回極域法国際シンポジウムプログラム

カンファレンスレポートが出版されました

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