組織概要

組織概要

社会科学系5部局のこれまでの取組

 神戸大学は、神戸高等商業学校の創立(明治35(1902)年)に起源があり、「学理と実際の調和」という建学の理念の下、基礎研究のみならず産業界の動態的な変革に連動する教育と研究を行ってきました。

 法学研究科は、 企業取引に関わる先端的な法律分野や知的財産法関連分野について幅広い専門的知見を蓄積してきており、平成15(2003)年度には21世紀COEプログラム研究拠点に採択され、また、平成16(2004)年度には法科大学院(大学院実務法律専攻)を開校するなど、国際的に活躍できるビジネス・ロイヤーの育成を図ってきました。

 経済学研究科は、経済経営研究所と共同で21世紀COEプログラムに採択され、「新しい日本型経済パラダイムの研究教育拠点」として経済のグローバル化と人口減少という我が国の経済がいま直面している新しい条件の下で持続可能な経済システムのあり方について研究を推進してきました。さらに、COEに併設された経済学国際共同研究センター(以下「COREAP」という)による世界の優れた研究者等によるセミナーや講義を通じて、大学院生の教育研究の向上に努めています。COREAPでは、内外の多くの優れた研究者を神戸に招聘して共同研究を進める他、COE事業推進担当者が直接諸外国の研究機関を訪問して共同研究やシンポジウム等を開催するなど、数多くの国際共同研究を行っています。  また、EUに関する学術研究拠点の促進、教育・広報活動の推進、および日・ EU関係の強化を目的として、平成17年4月1日、EUの資金援助により、神戸大学・関西学院大学・大阪大学からなるEUインスティテュート・イン・ジャパン関西(EUIJ関西)が設立されました。経済学部・経済学研究科と法学部・法学研究科は拠点校として中心的な役割を果たし、 EUについての包括的な研究を行い、その成果を教育プログラムとして提供しています。

 EUIJ関西は、下記のように経済学研究科と法学研究科が中心となり運営しています。 http://euij-kansai.jp/about

 経営学研究科は、経営制度の研究教育に伝統的な強みをもち、平成15(2003)年度には、21世紀COEプログラム「先端ビジネスシステムの研究開発教育拠点」に採択され、環境マネジメントシステム国際規格ISO14051に主導的な役割を担うなど、グローバル・環境配慮型サプライチェーン、並びに、アントレプレーナーファイナンスの国際的な研究拠点を確立してきました。平成17(2005)年度には、「魅力ある大学院教育イニシアティブ」に採択され、コアプログラムの標準化、博士論文審査のフローの標準化、海外招聘研究者による個別研究指導の導入などを行いました。また,平成19(2007)年度には、「大学院教育改革支援プログラム」に採択され、実務に根差したフィールドリサーチを強化するための経営アクションリサーチの実施、実践者へのレクチャー機会の提供など、研究力・教育力・実践力を縦横断的に養成し相乗効果を狙う独自の体系的プログラムを開発してきています。

 国際協力研究科(GSICS)は、国際舞台で活躍しようとする優秀な人材を育成し、その修了後の活動を通じて国際社会の発展に貢献することを目的とし、経済の脱国境化、貧困、紛争・テロ、環境汚染、感染症の蔓延など、国家を単位とする従来の枠組みではとらえきれない数々の問題に対応するために、学際的な教育・研究に取り組んできており、東アジア地域においても国家横断的な知見を蓄積しています。

 経済経営研究所(RIEB)は大正8(1919)年に神戸高等商業学校・商業研究所として発足し、わが国の国立大学における社会科学系附置研究所として最も古い歴史があります。経済・経営に関する資料収集は発足当初からの使命であり、附属企業資料総合センターでは、社史、兼松商店(現・兼松株式会社)、鐘紡等の戦前からの貴重な歴史的資料を始めとした各種資料・データの収集・整備・公開に取り組んでいます。近年においては、当研究所は平成19(2007)年度に文部科学省「サービスイ・ノベーション人材育成プログラム」に採択され、以来、ビデオ作製等を通じた人材育成にも取り組んでいます。平成21(2009)年度には、国際協力研究科およびJICA研究所との共同研究プロジェクト「アフリカにおける民族の多様性と経済的不安定:調和のとれた開発のための政策の方向性」を開始し、民族の多様性と経済の不安定性のリンケージを包括的に検証・分析しています。平成22(2010)年度にはRIEBリサーチ・フェローを創設し、当研究所を中心に国内外の著名研究者等を繋ぐ国際的ネットワークを形成しています。さらに、平成23(2011)年度には英文査読付雑誌「The Japanese Accounting Review」を創刊し、会計学の国際的発展と国内における活性化を促進しています。当研究所は経済学・経営学の両分野を掲げる国内唯一の研究所であり、その研究成果は、日本経済学会「中原賞」(2010年)、同「石川賞」(2010年)、日本会計研究学会「太田・黒沢賞」(2010年)、日本国際経済学会「小島清賞研究奨励賞」(2011年)、組織学会「高宮賞」(2012年)等の多数の受賞により、両分野の学界において広く認知されています。