日本・世界の農業に関する研究と環境保全のための研究
部門長
衣笠 智子
所属 | 神戸大学 |
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学域 | 経済学域 |
職名 | 教授 |
学位 | ハワイ大学 博士 (経済学) |
研究内容
本部門では、日本や世界の環境や農業の問題について、社会科学の知識を基礎に学際的な研究を行い、政策提言や社会実装を行うことを目指している。特に、今年度は、(1)ポストコロナの農業イノベーションに関する研究、(2)社会環境問題解決に貢献するあるべきサステナビリティ経営の実践に関する研究に重点を置いている。それぞれの研究の内容は、下記の通りである。
(1)新型コロナウイルス流行後、地方移住への関心は高まり、地方の産業として、農業は重要な役割を果たしうる。一方、少子高齢化が進行し、人口が減少する中、持続可能な農業を真剣に考えていく必要があるだろう。ITを利用した農業スマート化や6次産業化を行うようなイノベーションが必要であると考えられる。しかし、イノベーションは簡単に推進できるものではない。そこで、本研究では、農業者はどのような状況で、イノベーションを選択するのかを解明することを目指す。農業者のアンケート分析を行い、異なる地域でどのように結果が異なるかを比較検討する。計量分析結果等のエビデンスに基づき、ポストコロナの農業イノベーションいついて、政策提言をする。
(2)社会環境と経済の両立は耳当たりが良いものの、これによって必ずしも社会環境問題が解決される、もしくは持続可能な開発目標(SDGs)が達成されるとは限らない。こうしたことは現在グリーンウォッシングやSDGsウォッシングが問題になっていることからも明らかである。そこで、本研究の目的は、社会環境問題の解決を優先したうえで、結果として企業の持続可能性にも貢献するサステナビリティ経営の在り方を模索することである。そのために、サステナビリティ経営における経営意思決定の在り方や、サステナビリティ情報をどう活用するべきかを明らかにし、それらの国際比較から各国の実情に即した政策提言を行う。